今回はアース線の必要性についてです。
アース線とは外部に電流を流して、感電のリスクを減らす電気の進路のことです。万が一感電しても、電気が流れやすいアース線に大半の電流が流れるため、人体へ及ぼす影響を小さくしてくれます。アース線から流れる電流は、コンセントにある端子から大地に埋め込んでいるアース棒へと流れる仕組みです。
アース線が必要な家電
アース線を取り付けるように定められている電気機器は以下の3つです。
・水気や湿気の多い場所で使用する機器
・屋外で使用する機器
・200Vで使用する機器
アース線を使う家電例は、下記の通りです。
・洗濯機
・衣類乾燥機
・電子レンジ
・電気給湯器
・エアコン(室内機・室外機)
・温水洗浄便座(ウォシュレット)
・食器洗い機
・冷蔵庫
・テレビ
・パソコン
水回りで使う電化製品をはじめ、OA機器もデータを守るためにアース線が付いている場合があります。
安全に使用するために付いているアース線を接続しないと、重大な事故に巻き込まれる可能性があります。ここでは、アース線を接続しないと起こりうるリスクを3つ見ていきましょう。
電流が人体に流れる感電
アース線を接続しないとコードの老朽化や破損をした場合、電流が外部へ漏れ出るリスクがあります。漏れ出た電気が人体へ流れると感電し、火傷や心肺停止などの重大なケガを引き起こす恐れも。特に水気や湿気を多く含んだ場所では、絶縁するものがなく電気が流れやすくなります。濡れた手での作業が多いキッチン家電や洗濯機などは、アース線を接続するようにしましょう。
トラッキング現象による火災
アース線を使用しない場合、トラッキング現象によって火災が起こる危険性も高まります。トラッキング現象とは、電源プラグとコンセントの隙間に溜まったホコリや可燃物が、漏電により発火する現象です。火花が大きくなれば、火災へつながる恐れもあります。
適切にアース線を取り付けることで漏電した電気を逃し、感電や火災事故を防ぎやすくなります。なお、コンセントを差し込んだままにしているキッチン家電は、定期的にホコリ取りなどをして清掃することが大切です。
電磁ノイズによる被害
電磁ノイズが周辺の電子機器や通信機器などに干渉すれば、誤作動や性能劣化の原因になりかねません。特にパソコンや洗濯機などから、電磁ノイズが発生することがあります。また電話の時に聞こえる雑音や、インターネットを使うための無線LANがつながりにくいなどトラブルが起こることも考えられます。電磁波による被害を未然に防ぐためにも、アース線は正しく接続しましょう。
アース線は簡単に取り付けができます。実際にどのように取り付けるのか、主に日本で使われている2タイプで解説します。
ワンタッチタイプ|アース線を差し込み口に入れる
ワンタッチタイプは、コンセントにあるアース端子(差し込み口)に穴が空いているタイプです。
<必要なもの>
・アース線の付いた電源プラグ
・アース端子の差し込み口があるコンセント
<手順>
①家電の電源プラグを抜く
②アース線を端子に差し込む
感電を防ぐためにあらかじめ、家電の電源プラグを抜きます。アース線のビニールカバーがないむき出しの銅線を端子の奥までしっかりと差し込みます。感電の危険があるため、むき出し部分はしっかりと奥まで差し込みましょう。
ネジタイプ|アース線を曲げてネジに引っ掛ける
ネジタイプは、コンセントのアース端子にネジが付いているタイプです。ワンタッチタイプと比べると、難易度が上がります。
<必要なもの>
・プラスドライバー
・アース線の付いた電源プラグ
・アース端子の差し込み口があるコンセント
<手順>
①家電の電源プラグを抜く
②アース線の銅線を半円を描くような形に曲げる
③コンセントの端子のネジを少し緩める
④銅線を曲げたアース線をネジの隙間にかける
⑤アース線を巻き込んだ状態でネジを締める
アース線の先端を曲げると、コンセント内部に引っ掛けやすくなります。緩めすぎてネジを外さないように注意してください。
アース線を取り付けたいのに、コンセントにアース端子がなかったり、線が届かなかったりするケースもあるでしょう。ここでは、そんなトラブルの対処方法を解説します。取り付けが難しいと諦めていた方も試してみてください。
コンセントにアース端子がない
アース端子が足りない場合は、専門資格を持った電気工事士へ依頼する必要があります。賃貸物件では勝手にコンセント増設工事ができないため、必要に応じて家主や物件の管理会社へ相談します。
複数の家電製品を取り付けたい場合は、1つの端子に複数のアース線を取り付けても問題ありません。ただし、落雷のリスクがある電話用のアースは複数の家電と一緒に接続することが法令で禁止されていますので、注意しましょう。
コンセントにアース線が届かない場合は、長いアース線を家電量販店やホームセンターなどで購入します。この場合、特に資格は必要ないため、市販のアース線を付け替えて取り付けられます。
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